情報の組織化の課題

情報の組織化という言葉が最近注目されています。ところがこれは、何も目新しいものではありません。長い間、人々は情報の組織化に頭を悩まされ続けてきました。図書館学という分野でも、情報の組織化とアクセスの方法は多くの時間と労力を割いて研究されてきた課題でした。それなのに、今になってなぜ注目されるようになったのでしょうか。信じられないかもしれませんが、今や私たちは誰もがライブラリアン(図書館員)になりつつあるという現象は原因かもしれません。この革命的な変化は、グローバルなインターネットの普及によって、静かに、かつ着実に進行してきました。少し前までは、情報のラベリング、組織化、アクセスの提供といったことはライブラリアンだけが行っていたもので、デューイ十進分類法といった耳慣れない用語を使って話が交わされていたものです。ところがいまでは、インターネットの普及に伴い、情報の組織化は情報アーキテクトに任されることが多くなってきています。インターネットは、ユーザーに情報発信の自由を提供してくれるとともに、情報を組織化するという難題をユーザーに与えたとも言えます。新しい情報技術によってコンテンツの成長は指数関数的な勢いとなり、コンテンツの組織構造の革新が必要となってきました。情報過多というハードルに私たちは直面しています。ある研究報告では、全世界で年あたり1~2エクサバイト(エクサバイトは百万ギガバイト(ゼロが18個))の情報が創り出されていると言われています。このような状況の中、知らず知らずのうちに情報アーキテクトはライブラリアンの使う専門用語を使うようになりました。例えば、“そのコンテンツにどのようなラベリングをすればよいか”とか、“現在の分類体系で採用できるものはないのか”、“その情報を誰がカタログ化するのか”といったような会話が日常的に交わされるようになってきているというのが良い例です。さらに多くの人々が独自の情報を発信、組織化するような世界に邁進しています。このような状況では、情報の組織化という昔ながらの課題がより重要視されるようになってきたのです。